新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けの変更に伴い、外来診療で処方された新型コロナウイルス感染症治療薬に対する公費負担が縮小されることとなり、自己負担無料となっていた新型コロナウイルス感染症治療薬は、令和５年１０月から窓口負担３割の方で定額9,000円の自己負担が発生します。（２割の方で定額6,000円）　※9月15日厚労省公表時点

 

　対象となる治療薬は、経口薬「ラゲブリオ」、「ゾコーバ」、「パキロビッド」、点滴薬「ベクルリー」、中和抗体薬「ゼビュディ」、「ロナプリーブ」、「エバシェルド」の７種で、いずれも特定承認又は緊急承認された治療薬で高額な薬価となっています。

 

　既にその他の治療薬や検査などの医療費については、５類移行後の５月８日以後は通常の外来診療と同様に３～２割の自己負担が発生していますので、検査などの医療費の自己負担に加えて、対象となる治療薬の医療費が新たな自己負担となります。（医療費の７～８割は引き続き健保負担）

 

　ただし、対象となる治療薬は、感染者の約１割未満の方に処方されているに過ぎません。多くの保険医療機関では、解熱鎮痛剤等のジェネリック医薬品が処方されており、薬価も安価となっているため、これらの治療薬の自己負担に対する公費負担が終了した後も、ジェネリック医薬品を選択すれば自己負担額の増加を抑えることができます。

 

　陽性であっても軽症～中等症と判定され、重症化リスクの低い方は、主治医とよく相談し、既存のジェネリック医薬品でも治療に差し支えない場合は、ジェネリック医薬品を選択しましょう。

 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　※軽症患者に対して標準的な投与期間で使用した場合

 

　新型コロナウイルス感染症の再拡大、季節性インフルエンザの長期流行が報告されています。

　引き続き感染予防に努めていただきますようお願いいたします。